「地盤も鞄も手に入れた」、小池百合子氏のしたたかさには舌を巻いた

 安倍晋三首相が28日の臨時国会の冒頭で、衆議院を解散することを正式に表明しました。それに先立ち、解散の腹を固めたことを知った野党は、声をそろえて「大義なき解散だ」との大合唱だった。解散に大義がなければそんなに責められることなのか。これまではいつも大義があったのか。そんなことはまた機会があれば言わせてもらうとして…。

 今は野党にとっては、それどころの話ではなくなったようですね。ことに民進党は離党する者が相次いでいた。前原誠司代表など「どんな手段を使ってでも、どんな知恵を絞ってでも、安倍政権を終わらせる」と息巻いていた。もちろん現在も“決意”は同じでしょう。
 前原氏はジリ貧の民進党では今回の総選挙の立候補者を公認せず、希望の党(小池百合子代表)で公認を受けるように話し合ったようです。「名を捨てて実を取る」などと言っていたが、究極は希望の党に吸収されるのでしょう。

 ただし今はまだ党名を残している。参議院議員はそのまま民進党で行くらしい。訳が分からない。しかし今回の衆院選で公認を得るには、民進党議員が小池代表の眼鏡にかなわなければいけないというのです。
 代表の審査は憲法改正、安全保障を始め、その他の点で民進党からくる者の考えを確認し、拒絶するかどうかを決めるという。当然、不適格と言われる人もあるわけです。今回のやり方で「民進党が公認せず、希望の党で受け入れてもらえなければどうなるのか」と不安視している民進党議員も多い。当然でしょう。

 今後、選挙に向けて旧民進党議員の進む道は四択になるでしょう。
 1.希望の党の「公認を受けて」立候補する
 2.希望の党の「公認を受けられず」無所属で立候補する
 3.希望の党の「公認を受けることを望まず」無所属で立候補する
 4.立候補を断念する
 まだ当選して日の浅い議員が「2.」に追い込まれたら、選挙で政党から公認料をもらえないわけですからきついでしょう。
 またベテラン議員のなかには、これまで自分で信念をもって行動してきた人もいる。彼らの中には、ここにきて小池代表の「踏み絵」のようなやりかたに納得できず、「3.」を選択する人も多いのではないか。

 考えると、希望の党だけがものすごく美味しい思いをしているのですね。
 選挙に勝つためには、「地盤」「看板」「鞄」の、いわゆる三バンが必要だと言われます。
 「ジバン(地盤)」とは、選挙区内における支持者の組織、団体のこと。親の後を継ぐ政治家は、親の地盤をそっくり受け継ぐから有利なのです。
 「カンバン(看板)」とは、知名度があるということです。
 「カバン(鞄)」とは、選挙資金が潤沢だということ。
 日本の選挙での当落は後援組織の充実度、知名度の有無、選挙資金の多寡や集金力の多少に依存している場合が多く、それらを端的に表したのがこの三バンです。

 まず地盤を考えてみます。民進党の支持組織である日本労働組合総連合会(連合)の組合員は680万人。漸減しているとはいえ間違いなく巨大な票田です。地盤などない希望の党に、民進党がこの大票田を持ってきてくれるのです。
 次いで看板ですが、小池氏の知名度がかなり大きいのは事実です。本来なら元首相の菅直人氏や野田佳彦氏は、希望の党の「重みを増す」上で存在感はあります。しかし小池氏は排除するのではないか。鼻面を取って引き回すには、彼女にとっては手ごわい。希望の党に受け入れる選別にあたっても、引き回しやすい人を選ぶと思われる。それではいけないのですが…。

 最後に鞄、いわゆる資金面です。希望の党は全く資金がありません。希望の党から立候補を打診されたある人の話です。党から「選挙資金は大丈夫ですか」と念を押されたらしい。公認料を出すつもりがないから、選挙資金は自分で用意しなさいということか。
 ところが民進党は、昨年受け取った政党交付金だけで97億円ある。このお金は政党活動の自由を尊重することから、どう使うか、あるいは他政党への寄附も制限されていない。巨大な資金が希望の党に入るのです。
 民進党を解党させないのは、党がなくなると政党交付金を国庫に返納しなければならないからです。さらに今後のこともある。

 どうですか。私は小池氏のしたたかさが、前原氏をはるかに凌いでいたと思います。民進党は丸裸にされ、何年かのうちにはなくなってしまうでしょう。希望の党が、民進党にとって失望の党、絶望の党にならないように危惧するばかりです。
 22日が投開票でしたか。私たちの1票が日本を変えることを改めて肝に銘じていきたいと思いました。
プロフィール

村 岡 長 治

Author:村 岡 長 治
出自:兵庫県姫路市
現在:埼玉県富士見市
仕事:特定社会保険労務士、行政書士

筑波大学付属駒場高等学校卒業後、早稲田大学理工学部に学ぶが、家業を継ぐため学業途上で帰郷。
現在、川越・ふじみ野・富士見方面で、社会保険労務士・行政書士業をやっています。

「村岡労務行政事務所」のホームページもご覧ください。

両士業の支部内で、勉強会などを持てるといいと思っています。信頼できる同志との連携を深めたい。

お客様とは互いに信頼でき、長続きする関係を築いて行きたい。

趣味は酒、旅行、絵画・音楽・書の鑑賞など。子供たちも独立して、いまは夫婦2人です。

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