憲法論議に問題山積、改正案では9条に自衛隊の存在を明記か?

 国会の憲法論議の行方が混沌としています。東京都議選の“自民党歴史的惨敗”によって、流れが大きく変わろうとしているのか。改憲というとどうしても憲法9条に焦点が絞られがちですが、課題は山積しているのです。
 まず第1章「天皇」では、天皇を元首と位置付けるべきかどうか。「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」ですが、外国から見るとまぎれもない元首なのです。通常、君主制国家では天皇・皇帝・王などが、共和制国家では大統領が国家元首とされます。日本国の元首は天皇だということに、何を憚るところがあるのでしょう。この結論は決まっていると思うのですが、いかがでしょう。

 そのほか、大規模災害に備えた「緊急事態条項」をどうするのか。国会議員の任期延長だけにするのか、首相の権限強化にまで踏み込むのか。また現行憲法制定当時に想定されなかった人権問題として、プライバシー権や環境権がある。さらに自民党の船田元氏などが、「所得格差拡大などの経済的制約によって、教育を受ける権利が充分に保障されていない」と発言するなど。義務教育だけではなく、幼児教育や高等教育の無償化も焦点になっている。
 そのほか問題は実に多岐にわたる。改正をするつもりなら、これほど多くが議題に上る。それを70年放置したのですよ。しかしこれらを、いっぺんに詰め込んだ憲法改正など、どだい無理でしょう。国民投票といっても、国民がどこまで理解して投票できるか。

 まず、今回外せないのは9条でしょうね。それから96条。私は常に憲法改正の発議要件緩和が極めて大事だと、バカの一つ覚えのように言っています。今回一部が改正できたとしても、96条をしっかり検討し改正しておかなければ、今後も同じ轍を踏むことになるでしょうから。

 安倍晋三首相は述べています。
 「“自衛隊は違憲かもしれないが、何かあれば命を張って守ってくれ”というのは、あまりに無責任だ」と。
 憲法改正を目指すに際し、9条の1項と2項を残し、自衛隊の存在を明記する条文を追加する意向だという。私は暫定的な改正措置としては「それもあり」かと思ったが、考えてみると自衛隊をどのように位置付けて(3項に)押し込むのか。私の浅智慧ではちょっと理解できない。その後の方針がどうなったのか。そのままなのか、進展があったのでしょうか。私は寡聞にして知らない。

 さらに前出の「…あまりに無責任だ」の表現、「無責任」とは責任感がない、いい加減、ちゃらんぽらんといった意味でしょう。私は「…あまりに虫が良すぎる」に置き換えるとよくわかると思う。「虫が良い」とは身勝手だ、ずうずうしいという意味です。自衛隊を認めないと言いながら、いざというときは助けてくれという。あまりに身勝手でしょう。その言葉がピッタリ胸に収まる。

 ところで憲法9条をご覧ください。
 「第9条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
 2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」

 まず1項の「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」ということ。言わんとするところはわかります。これはケロッグ=ブリアン条約(パリ不戦条約)の要旨でもあり、日本もこの協定を締結している以上、異論は唱えられないないでしょう。
 問題は2項です。
 「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」

 よろしいですか。「9条の1項と2項を残し、自衛隊の存在を明記する条文を追加する意向」だという。「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」「交戦権は、これを認めない」といいますが、外国から見たら自衛隊はすでに立派な軍隊なのです。
 例えば航空自衛隊。英語名はJapan Air Self-Defense Forceと名乗っているようですが、諸外国からは通常Japan Air Force(日本空軍)と呼ばれていると聞いたことがあります。

 「戦力を保持しない」「交戦権を認めない」ままで、自衛隊をどのように明記するのか? 私の智慧ではどんな妙計があるのか予測がつきませんが、発表があるまで待つしかないでしょう。
プロフィール

村 岡 長 治

Author:村 岡 長 治
出自:兵庫県姫路市
現在:埼玉県富士見市
仕事:特定社会保険労務士、行政書士

筑波大学付属駒場高等学校卒業後、早稲田大学理工学部に学ぶが、家業を継ぐため学業途上で帰郷。
現在、川越・ふじみ野・富士見方面で、社会保険労務士・行政書士業をやっています。

「村岡労務行政事務所」のホームページもご覧ください。

両士業の支部内で、勉強会などを持てるといいと思っています。信頼できる同志との連携を深めたい。

お客様とは互いに信頼でき、長続きする関係を築いて行きたい。

趣味は酒、旅行、絵画・音楽・書の鑑賞など。子供たちも独立して、いまは夫婦2人です。

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