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「俺たちの国芳 わたしの国貞」展、Bunkamuraザ・ミュージアムで

 「テレビやグラビア雑誌がない江戸時代、浮世絵は歌舞伎スターのブロマイドであり、最新のエンターテインメントやファッションを伝える重要なメディアでした。江戸の人々は、浮世絵のなかで、縦横無尽に暴れまわり活躍する人気役者(スーパースター)や英雄(ヒーロー)たちに憧れ、美しい女性(モデル)の姿に夢描きました」

 これは渋谷の「Bunkamura ザ・ミュージアム」で開催中の浮世絵展、「ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞」と題したパンフレットの冒頭の一節です。
 5月30日の月曜日、この展覧会に行きました。私は江戸時代の絵画、ことに浮世絵を見るのがたいへん楽しい。当時の風俗、すなわち衣食住など日常生活のしきたりや習わし、風習、生活文化などの特色がくまなく表れているからです。昨今「江戸の風俗が好きだ」などというと、性風俗と勘違いされかねないので、注意しなければいけないが。

 いつも思うのですが、ことに江戸時代の初期は、文芸・学問・芸術・芸能に著しい発展を見た時代でした。ゆたかな経済力を背景に成長してきた町人たちが、大阪・京都など上方を中心にすぐれた作品を数多く生みだした。そこでは庶民の生活・心情・思想などが書き物、版画や劇場を通じて表現されました。
 いわゆる「元禄文化」は、上方で京都から大坂に中心が移るようになると、同時に東漸を始め、やがて江戸が文化の中心となるのです。

 小説の井原西鶴、俳諧の松尾芭蕉、浄瑠璃の近松門左衛門らは日本文学史上の一大巨星です。のちに「琳派」と呼ばれる装飾的大画面を生み出した尾形光琳、浮世絵の始祖・菱川師宣、生田流箏曲、浄瑠璃、長唄等々、江戸文化が大々的に花開く時期です。
 私がいつの感心するのは、これらの文化はほとんどが庶民のために生まれたものです。ヨーロッパを始めアジアでも、芸術、芸能などはほとんど王侯貴族のものでした。江戸文化を見てください。庶民がその中心ではありませんか。

 いや、こういう芸能・芸術だけではありません。旅行も「ほとんど自由に」行くことができたのです。「容易に行くことはできなかった」と考えている方も多いと思いますが、実は「お伊勢参り」と言えば、通行手形も案外簡単に発行してもらえたようです。伊勢参りを「旅行の口実」に使ったかどうかは議論のあるところですが、「お伊勢参り」と言えば旅に出るのは困難ではなかった。
 江戸時代の日本の人口は3千万人と言われますが、“最盛期には年間500万人、実に6人に一人が伊勢に参拝した(ウィキペディア)”、というから推して知るべきでしょう。

 日本は旅行者にとって大変安全な国です。少し後の明治のことですが、イギリスの旅行家イザベラ・バードが、旅行者にとって日本の安全性と景色の美しさを各書に絶賛している。
 ヨーロッパなどでは個人旅行は極めて危険だから、馬車などを用意しなければならなかった。庶民が簡単に行ける状態ではなかったらしい。

 話が長くなってしまいました。
 国芳と国貞の2人は、兄弟弟子でありながらその作風は対照的で、国芳は豪快な武者絵と大胆な構図で、国貞は粋な美人画や緻密な表現で一世を風靡したそうです。
 大首絵といって、歌舞伎役者や遊女、評判娘などを半身像や胸像として捉えて描いた浮世絵版画は、まさに現代でいえば映画スターのブロマイドなのでしょう。輝く歌舞伎役者に熱い思いを寄せ、美しい女性の艶姿に夢を馳せたのが想像できます。
 それとともに、さまざまな浮世絵から当時の華やかな江戸の風俗・文化を覗くことができるのが、私はたいへん楽しい。まさに江戸時代は、庶民の文化が絢爛と咲き誇った時代だったのです。

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プロフィール

村 岡 長 治

Author:村 岡 長 治
出自:兵庫県姫路市
現在:埼玉県富士見市
仕事:特定社会保険労務士、行政書士

筑波大学付属駒場高等学校卒業後、早稲田大学理工学部に学ぶが、家業を継ぐため学業途上で帰郷。
現在、川越・ふじみ野・富士見方面で、社会保険労務士・行政書士業をやっています。

「村岡労務行政事務所」のホームページもご覧ください。

両士業の支部内で、勉強会などを持てるといいと思っています。信頼できる同志との連携を深めたい。

お客様とは互いに信頼でき、長続きする関係を築いて行きたい。

趣味は酒、旅行、絵画・音楽・書の鑑賞など。子供たちも独立して、いまは夫婦2人です。

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