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野党の「すり替え」論には用心を、年金問題を参院選の争点にするな

 平成16年(2004年)の年金改革で謳った「100年安心年金」制度は、「年金制度の存続が100年安心」ということで、決して政府が、「国民の老後生活を100年責任を持つ」というわけではない。
 マスコミは知ってか知らずか「政府は『100年安心』といったが、安心できないではないか」と騒ぎ立て、野党は攻撃のチャンス、とばかりにいきり立っている。

 私は特定社労士ですが、実は年金のことは私もあんまり詳しくわかっていない。ただし皆さん、マクロ経済スライドをご存知ですね。これは、そのときの現役人口の減少や平均余命の伸びといった社会情勢に合わせて、年金の給付水準を自動的に調整する仕組みです。
 平成16年の制度改正では、将来の現役世代の保険料負担が重くなりすぎないように、保険料水準がどこまで上昇するのか。そこに到達するまでの毎年度の保険料水準を法律で決めました。
 国が負担する割合も引き上げるとともに、積立金を活用していくことになり、公的年金財政の収入を決めたのです。

 この収入と給付を考え、「社会全体の公的年金制度を支える力(現役世代の人数)の変化」と「平均余命の伸びに伴う給付費の増加」という、マクロでみた給付と負担の変動に応じて、給付水準を自動的に調整する仕組みを導入したのです。この仕組みを「マクロ経済スライド」と呼んでいるようです。
 この仕組みをしっかり構築し、年金制度が破綻しないようにしたのが「100年安心」ということです。

 ところで、年金だけで生活できなければ政府の責任なのか。国民の生活にはいろんなパターンがある。仮に「ある程度」豊かな生活を送れる金額が、金融庁のいうように月額26万円としましょう。
 学校を卒業して就職し、65歳まで厚生年金をかけて、月額年金21万円とすると不足額は5万円。これが今回、金融庁発表のモデルケース。

 自営業の人の多くは国民年金でしょう。40年かけて月額6万5000円ほど。預金がなければ毎月19万5000円不足する。
 こんな例も考えられるでしょう。給料を一銭も貯金せず全額使いきってしまう。厚生年金に加入しているところに勤めず、個人的に国民年金にも加入していない人はどうなるか。

 立憲民主党の蓮舫氏は、「日本は65歳から30年生きると、2000万円ないと生活が行き詰まる国なのか」と鬼の首でも取ったように息巻く。だが各自保有の預金、株式、不動産などで、必要金額は千差万別でしょう。
 保有数預金等で足りる人もあれば、5000万円もなければやっていけない人もいるでしょう。だから各人の自助努力だというのです。

 そんなことはあり得ないが、もし政府が、国民に月額収入26万円になるまで一律差額を支給したら、あなたは納得できますか? 年金を無視してきた人は嬉しいでしょう。厚生年金に40年加入してきた人は納得できますか?
 これを考えてもわかるでしょう。要するに100年安心年金というのは、「年金制度が崩壊することはない」ということで、あとは努力するものとしないもので差が出るのは当然です。

 それを野党は、「年金だけで安心して生活できる」のが100年安心だ、とこじつけている。よっぽど悪知恵を働かせたか、もし本気でそう思っているなら、よっぽどバカだと思う。
 政府も、このことをしっかり説明できないのは、どうかと思うね。
 最後に一言。私は厚生年金の21万円の収入しかなければ、その範囲で生活すればいいと思う(国民年金だけ、というのは無理でしょうが)。いつも言いますが、「入るを量りて出(い)ずるを制す」です。