大相撲の「女性蔑視」は伝統ではない、過去の悪しき「因習」なのだ!

 4日午後2時すぎ、京都府舞鶴市の舞鶴文化公園体育館で行われた大相撲の春巡業の土俵上で、挨拶をしていた多々見良三舞鶴市長が突然倒れ、市内の病院に搬送されました。
 その際、応急処置を施そうと土俵に上がった看護師ら複数の女性に対し、行司が場内アナウンスで「女性の方は土俵から下りてください」と繰り返し放送した。この行為に対しメディアでは、いま大きな問題として連日報道している。

 翌5日、土俵上で突然倒れた市長に関して舞鶴市が、くも膜下出血だったことが判明した、と発表。市の担当者によると、4日に精密検査で病状が分かりただちに手術。現在の容体は安定しているらしい。救急車で市内の病院に搬送されたときには「意識もあって会話もできた」という。今後は入院して静養することになる。

 新聞やテレビの報道によると、多々見市長が倒れた直後、警察官やスタッフらが土俵に上がった。その中に心臓マッサージなどの救命処置を施している女性らもいた。ところが場内放送だけではなく、観客の男性からも「何で土俵に女がいるんだ」「女は土俵から下りろ」との声があったという。
 相撲の土俵は古くから「女人禁制」とされており、この慣例に従ったのだろうが、一連の対応は波紋を広げている。

 テレビの取材などによると、最初に土俵に上がって市長の元へ行った女性は「看護師です。心臓マッサージができます」と述べた。そのあとを追って土俵に上がった女性も医療関係者だったらしい。
 多々見市長の元もとの職業は医師で、今も病院を経営している。この女性らも病院の関係者で、この日、相撲観戦に来ていたらしい。その直後、八角理事長(元横綱・北勝海)は「行司はすぐに分からず、『土俵から下りてください』と言ってしまったという。不適切だったと認める」と謝罪した。

 しかし理事長は誰に謝罪したのかわからないような御託を並べるのではなく、土俵際にドクターを置くことを考えるべきではないか。ボクシングでもプロレスでも、その他の格闘技でも、みんなリングドクターがいるでしょう
 相撲も格闘技です。現理事の芝田山親方(元横綱・大乃国)など横綱を張る前、板井に張り手で失神させられたことがある。旭道山などはしょっちゅう(と思うほど脳裏に焼き付いている)張り手で相手を土俵に這わせた。ドクターぐらい用意しておくべきではないか。ドクターがおれば、今回の事例でも適切な指示ができたでしょう。

 テレビの映像を見た印象では、土俵上にいた男性は何もできなかった。見るにみかねて女性が後から入ってきたのではないですか。なにが「土俵から下りろ」ですか。専門医らは女性陣に対して、「推奨すべき行動」「完璧な対応」と高く評価している。
 突然倒れた場合は心臓や脳の病気の可能性が高く、意識がなく、正常な呼吸をしていない場合は心臓が止まったと判断し、心臓マッサージをしなければいけない。措置が遅くなればなるほど、命が助かる可能性は低くなり、後遺症が残る可能性が大きくなるのです。

 ところでここからの話は緊急事態とは言えません。しかしかつて森山眞弓官房長官が天皇賜杯を、また太田房江大阪府知事が府知事賞を、土俵で授与しようとして相撲協会に拒絶されたことがある。いつまでこんな時代遅れの対応をしているのでしょう。
 テレビで相撲関係者や元力士の発言を聞いていると、大きく2つに分かれると思った。
 女性を土俵に上げない理由の一つは「伝統だ」という。
 今一つは、相撲は「神事」であり土俵を血で汚してはいけない、という。ケガをして流血した人は土俵で戦えない。女性も生理があるから土俵に上がることができない、というのだ。

 今や「女相撲」も開催される時代ですよ。すでに伝統は崩れているでしょう。さらに相撲は神事というならひと言申しましょう。神事といっても、そもそも日本神道に教義などない。以前、女性を不浄などという言葉を耳にしたことがありますが、それなら女性から生まれた男性も不浄になりはしないか。何より、女性の協力がなければ、相撲どころではない、人類は亡びていたのですよ。
 奉納相撲を神事というのは、彼らなりの言い分として聞き置きましょう。それ以外の「本場所」と「地方巡業」は、間違いなく「興行」そのものでしょう。

 日本相撲協会は公益財団法人で、事業には高い公益性が求められるのです。そのため税制上の優遇措置もあり、認定されることによる社会的信用度の高さが大きなメリットになる。
 その協会が女性差別的なことを言っては公益性が疑われるでしょう。こんなことは「伝統」ではない、過去の「因習」なのです。その違いが分かりますか?
 (1)「伝統」は、長い間に形成され、受け継がれてきた技芸・風習・思想などのしきたりや様式。
 (2)「因習」は、昔から続いている風習で、現在では弊害が生じているもの。

 今回の問題で、外国のメディアは大相撲バッシングに奔走しています。相撲協会はこれを機に、悪しき因習からの脱却を計るべきではないか。
プロフィール

村 岡 長 治

Author:村 岡 長 治
出自:兵庫県姫路市
現在:埼玉県富士見市
仕事:特定社会保険労務士、行政書士

筑波大学付属駒場高等学校卒業後、早稲田大学理工学部に学ぶが、家業を継ぐため学業途上で帰郷。
現在、川越・ふじみ野・富士見方面で、社会保険労務士・行政書士業をやっています。

「村岡労務行政事務所」のホームページもご覧ください。

両士業の支部内で、勉強会などを持てるといいと思っています。信頼できる同志との連携を深めたい。

お客様とは互いに信頼でき、長続きする関係を築いて行きたい。

趣味は酒、旅行、絵画・音楽・書の鑑賞など。子供たちも独立して、いまは夫婦2人です。

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