羽生・井山氏に国民栄誉賞、過去「立ちションもでけへん」と断った猛者も

 将棋棋士の羽生善治氏と囲碁棋士の井山裕太氏が、ともに国民栄誉賞を受賞しましたね。
羽生氏は将棋界を牽引する棋士の第一人者です。初めて七冠を同時に制覇するなど比類なき功績を重ね、将棋界初の永世七冠という歴史に刻まれる偉業を達成した。
 井山氏は囲碁界の最高峰として、顕著な功績を重ね続けました。年間グランドスラムを含む囲碁界初の2度の七冠同時制覇という、歴史に刻まれる偉業を達成したのです。
 もう1人、フィギュア・スケートの羽生結弦氏への授賞を検討するように安倍晋三首相が指示したということですが、これも決定したのでしょうか。私はその後のことをよく知りません。

 国民栄誉賞とは、「広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があった者または団体の栄誉をたたえるため、内閣総理大臣が授与する賞」とされています。
 ただしこの賞、“時の総理大臣の考え、好みによってあまりにも差がありすぎる”という声が多いのも事実です。例えば柔道の山下泰裕氏は五輪1回の金メダルで受賞。野村忠弘氏は五輪3連覇しながら、未だに受賞していない。
 メダル獲得も一つの考え方の基準ではあるでしょうが、例えばメダルの数だけではなく、獲得にどんなドラマがあったかということが、国民が期待するところでもあると私は思っています。

 日本には勲章、褒章などの制度があります。栄典として、国家または公共に対して功労のある者を勲等に叙して勲章を授けることを叙勲。社会の各分野における優れた行いや業績のある者に褒賞の記章を授与するのが褒章です。
 また人間国宝という制度もあります。これは、重要無形文化財保持者として各個認定された人物のことです。
 さらには各スポーツなどに代表されるように、その分野で優れた者を表彰する制度もあります。ですから私は、国民栄誉賞はそれほど「物指し」に神経質になることもないのではないかと思っています。
 この賞の表彰対象は、「内閣総理大臣が本表彰の目的に照らして表彰することを適当と認める者に対して行う」、という表彰規程と照合すれば納得できるではありませんか。基本的には首相の発案で、内閣府で検討のあと正式発表という運びになるそうです。

 これまで受賞を辞退した人は3人です。野球界からは福本豊氏とイチロー(鈴木一朗氏)、作曲家の古関裕而(こせきゆうじ)氏です。
 イチローは「まだ発展途上の現役。いただけるなら引退後に願いたい」。古関氏は没後の知らせだったため、親族が「生きてる間ならありがたく受けただろうが、死後にもらって何ほどの意味があろうか」、ということで断ったらしい。一説には、政権の支持率アップに利用されるのを嫌ったという。

 私が気に入っている辞退者は福本豊氏です。福本氏は阪急ブレーブス(現オリックス・バッファローズ)で当時の世界記録、通算939盗塁を達成しました。
 国民栄誉賞授賞を打診されたが、「そんなんもろたら、立ちションもでけへんようになる」と断った。新聞発表では「気軽に居酒屋にも行けなくなる」となっていたという。
 後日何かで読んだ氏の本意は、「自分は王さん(王貞治氏=第1回受賞)のように、野球人の手本となる生活はできない。記録を作るだけではなく、国民に広く敬愛される人物でなければいけないというボクなりの解釈があった」(趣意)ということだったらしい。
 しかし堅苦しいことをいわず、「立ちションもでけへん」から辞退した、と笑い飛ばすところに彼の潔さが現れているではありませんか。

 福本氏といえば、こんなエピソードも思い出されます。
 彼は社会人野球の松下電器(現パナソニック)を経て、プロ野球の阪急ブレーブスに入った。奥さんは全く野球を知らない人。ある日彼が「今度、阪急でやることになった」というのを聞いて、松下電器をやめて阪急電鉄のどこかの駅で働いているのだと思っていたらしい。
 ある日、連絡を取る用ができ阪急電鉄に電話をかけた。もちろんわかるはずがない。再度、氏名を詳しく聞かれ伝えると、「それ、阪急ブレーブスの福本さんと違いますか」と言われて、初めて夫の仕事を知ったという。
 ぶっきらぼうだが優しい夫と、下駄の雪のようにどこまでもついて行く女房。何とも微笑ましい大正・昭和の光景が浮かぶではありませんか。
 冗長な文章になってしまい、申し訳ありません。


福本豊
引退後は解説者、評論家として活躍する福本氏。
勝っていた阪神が大型連敗に突入。連敗を脱し
たとき、「これがオセロなら黒はひっくり返る
んだが」。(写真はYAHOO画像・検索より)
プロフィール

村 岡 長 治

Author:村 岡 長 治
出自:兵庫県姫路市
現在:埼玉県富士見市
仕事:特定社会保険労務士、行政書士

筑波大学付属駒場高等学校卒業後、早稲田大学理工学部に学ぶが、家業を継ぐため学業途上で帰郷。
現在、川越・ふじみ野・富士見方面で、社会保険労務士・行政書士業をやっています。

「村岡労務行政事務所」のホームページもご覧ください。

両士業の支部内で、勉強会などを持てるといいと思っています。信頼できる同志との連携を深めたい。

お客様とは互いに信頼でき、長続きする関係を築いて行きたい。

趣味は酒、旅行、絵画・音楽・書の鑑賞など。子供たちも独立して、いまは夫婦2人です。

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