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女性医師の増加が世界の趨勢か? 私立医大で禁じ手の点数不正操作を

 過般このブログで、東京医科大学が医学部一般入学の女子を3割以下に抑えるべきだとして、男子優遇の措置が講じられてきたことを書きました。具体的にはマークシート方式の1次試験で女子の点数を一律減点したり、小論文と面接が実施される2次試験で、男子の小論文の点数を加点したりしていたという。
 同大学OBが「点数順に合格させたら女子大になってしまう」「女性は大学卒業後に医師になっても、妊娠や出産で離職する率が高い。女性が働くインフラが十分ではない状況で、仕方のない措置だった」と話していたらしい。しかし公正な合格を装い受験料を取って不利な受験をさせることは刑法の詐欺罪であり、何より憲法14条違反になるのではないか、と書きました。
 大変気になっている問題なので、もう一言だけ述べてみたい。

 毎日新聞(8月7日)に、「各私立大学医学部の2018年度一般入試における女子の割合」が掲載してあった。その中から私立大学医学部の女子について、受験者の割合より合格者の割合が多い大学、反対に合格者の割合が少ない大学を2例ずつ挙げてみます。

 2018年度一般入試(女子) (受験者) (合格者)
 ―――――――――――――――――――――――
 金沢医科大学          35%    45%
 杏林大学            39%    46%
 ―――――――――――――――――――――――
 聖マリアンナ医科大学      44%    23%
 東京医科大学          39%    18%

 東京医大は受験者の44%が女性、合格者の23%が女性。受験者より合格者が21%も少ない。聖マリアンナ医大も21%少ない。東医OBの「入試の得点は女子の方が高い傾向があり、…」という発言から考えると受験者の中の男子の割合より合格者に占める男子の割合が少なく、女子は受験者の割合より合格者の割合が大きくならなければおかしい。金沢医大、杏林大学はその言葉を肯定する結果です。
 しかし憲法との整合性は別に考えていただくとして、入試要項などにはっきり「女子の合格者は★割に調整する」と明記しておくべきではなかったのか。それによって詐欺罪の謗りを免れることができたでしょう。

 それでは世界の国で女性医師が占める割合を数例書き出してみましょう。
 フランスは43%。オーストラリア40%、アメリカ34%。
 フランスは2022年には女性医師が60%を超えるとみられています。
 OECD関連国では大半が女性医師50%超えです。
 エストニアでは74%、スロバキア、フィンランドで57%、スペイン、オランダで50%です。それに比べて日本は20%、確かに少なすぎる。しかしイギリスやドイツも結構少ないですよ。

 どういう経緯があろうと、点数を不正操作して女子受験生の得点を低くするような姑息なやり口は許されない。しかし「妊娠や出産で離職する率が高い。女性が働くインフラが十分ではない状況で、仕方のない措置だった」とのOBの発言が事実なら、そして女性医師の気持ちが「仕事を続けたい」ということなら、大学は女性受験者の合格者を少なくするため点数の不正操作をするのではなく、自ら先駆けて国に働きかけ、そのための環境を整える方向ヘ進めるべきではないか。
 女性医師がもっと増えるのが自然の動向で、日本もそれに則っていくというなら、日本はどう対処するべきか。女性医師の勤務時間、育児休暇の問題、保育施設など考えるときりがないかもしれない。しかしほかの国にできて、日本にできないということはあり得ない。

 だが間違ってもクオータ制だけはやってはいけない。クオータ制とは、議員や会社役員などの女性の割合をあらかじめ一定数に定めて積極的に起用する制度のことです。女性の社会進出を後押しし、男女ともに働きやすい社会をつくるためと言って、日本も国会議員数の割合にも反映しようと進めつつあるようです。

 ここで私が言うクオータ制とは、女子の合格者が多くなりすぎて、男子の得点に下駄を履かせる愚策を考えてはいけないということです。「逆クオータ制」とでも言っておきましょうか。東医OBの「点数順に合格させたら女子大になってしまう」という言葉に象徴されるように、女性は男性よりまじめに勉強する。合格者も男子より増えるかもしれない。

 結果、「下駄を履かせてもらい合格できた」というコンプレックスを持ったまま立派な医者になれますか。そんなコンプレックスも感じないようなら、なおさら医者になる器ではない。公明正大な試験結果で合格してこそ、胸を張れるのではないか。万が一、女性が増えすぎて困る事態になったら、そのとき改めて考えたらいいでしょう。
プロフィール

村 岡 長 治

Author:村 岡 長 治
出自:兵庫県姫路市
現在:埼玉県富士見市
仕事:特定社会保険労務士、行政書士

筑波大学付属駒場高等学校卒業後、早稲田大学理工学部に学ぶが、家業を継ぐため学業途上で帰郷。
現在、川越・ふじみ野・富士見方面で、社会保険労務士・行政書士業をやっています。

「村岡労務行政事務所」のホームページもご覧ください。

両士業の支部内で、勉強会などを持てるといいと思っています。信頼できる同志との連携を深めたい。

お客様とは互いに信頼でき、長続きする関係を築いて行きたい。

趣味は酒、旅行、絵画・音楽・書の鑑賞など。子供たちも独立して、いまは夫婦2人です。

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