安倍首相が本気で北方領土交渉を、2島先行・2島継続を目指すか?

 この10月は、日本とロシア(当時のソ連)が「日ソ共同宣言」に署名してから、ちょうど60年目にあたります。日ソ共同宣言は、両国が戦後11年たって国交を回復した節目の大切な条約でした。それから60年、この問題はその後どうなっているのか考えてみたいと思います。

 北方領土返還の問題は、敗戦以来の日本の宿願でした。敗戦が濃厚になってきた日米戦を見て、日本は「日ソ中立条約」を締結しているソ連に仲裁を依頼した。ところが日本の「死に体」を覚ったソ連は、終戦直前から戦後にかけて中立条約を一方的に破棄し、南樺太(現在のサハリン)及び北方領土を掠奪した。満州などから数十万人の日本兵をソ連に移送・抑留し、労働力不足を補うための強制労働に従事させた。まさしく火事場泥棒の暴挙でした。過酷な条件で数万人が死亡した。
 以来、北方領土問題に本気で取り組んだ政権もありましたが、「経済協力、技術供与」などの名目で先方に利益を得させただけで、一歩の進捗もなかったのが現実です。
ゴルバチョフ氏、エリツィン氏の時代には多少の期待も抱かせたが、それも実ることはなかった。メドベージェフ氏などは首相の時と大統領の時とを問わず、北方領土へ不法上陸して日本を挑発して見せた。

 ところがここへきて、安倍首相が本気で北方領土問題に取り組もうとしているのです。安倍政権は近年には稀な安定した政権と思われる。この機に解決できなければ、このあと何十年経ってもおそらく解決を望めないのではないか。
 日露両政府はプーチン大統領が今年12月上旬に来日し、安倍首相の地元・山口県で開催される首脳会談に向け、本格的な調整に入っているようです。首相が地元で外国の首脳と会談するのは初めて。プーチン氏を地元に招き、くつろいだ雰囲気の中で話し合うことで信頼関係を緊密にし、領土交渉の進展につなげたい考えのようです。

 安倍首相がどういう腹案を練っているかわかりません。プーチン氏がかつて、「柔道にも引き分けがある。この問題解決の上でも考えるべきだ」(趣意)と述べているが、「2島返還」のみで合意することはできないでしょう。それでは国民の合意を得ることはできないし、こうなると「国民投票」で決めなければならないほどの大事でもあります。
 実は日ソ交渉は55年6月に始まっています、敗戦10年目です。当時、鳩山一郎首相が調印した日ソ共同宣言には「平和条約締結後に2島を日本に引き渡す」と明記されているのです。しかしその後、これ以上話が進んだ様子はない。
 いま首相の思惑はどこにあるのか。2島だけでは国民の賛意を得られないとなると、歯舞・色丹の2島先行返還の後、平和条約を締結して国家規模の協力体制を築きあげ、国後・択捉2島の返還交渉は引き続き時間をかけて進める、というところではないでしょうか。

 いずれにしても歯舞・色丹は、ロシアにとって価値ある存在ではないでしょう。それらしく見せているのは、いざというときにこの2島で手を打つ布石ではないかと私は思う。
 ロシアにとって、オホーツク海は核戦略拠点の要衝です。国後・択捉の2島は太平洋との通路として、ロシアは絶対に手放さないのではないか。
 
 安倍首相は先月でしたか、プーチン大統領に会ってますね。全く勝算がなくて山口まで招待することは考えられない。私は先に述べた内容で煮詰めているのではないかと考えています。それとも目から鱗が落ちるような名案があるのか。首相の力量が試される時でしょう。この時を逃したら、当分決着はあり得ない。期待しようではありませんか。
 ただし2島返還かどうか確定もしてないのに、やみくもに期待を持たせるような報道はするべきではないと思う。廻りが騒ぎすぎるのも問題です。
プロフィール

村 岡 長 治

Author:村 岡 長 治
出自:兵庫県姫路市
現在:埼玉県富士見市
仕事:特定社会保険労務士、行政書士

筑波大学付属駒場高等学校卒業後、早稲田大学理工学部に学ぶが、家業を継ぐため学業途上で帰郷。
現在、川越・ふじみ野・富士見方面で、社会保険労務士・行政書士業をやっています。

「村岡労務行政事務所」のホームページもご覧ください。

両士業の支部内で、勉強会などを持てるといいと思っています。信頼できる同志との連携を深めたい。

お客様とは互いに信頼でき、長続きする関係を築いて行きたい。

趣味は酒、旅行、絵画・音楽・書の鑑賞など。子供たちも独立して、いまは夫婦2人です。

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