納得できない 「婚外子相続差別は違憲」 の最高裁決定

つい最近、最高裁大法廷で 「婚外子の相続差別は、法の下の平等を定めた憲法に違反して無効」 だ、とする判決が出されましたね。
私は6日から旅行のために家を留守にしましたが、その1日か2日前に新聞で読んだ記憶があります。たいへん気になっていましたので、旅行の報告が終わったのでひと言書いてみたい。

最高裁の決定ですから、「一応」 は最終判断と受け取るべきでしょう。しかしどうもおかしい、腑に落ちないのです。旅行に行く前の新聞は処分してしまったので、うろ覚えの部分もあることをお断りして私の考えをお聞きいただきたい。

現在の民法では非嫡出子の法定相続分は、嫡出子の2分の1と決められています。婚姻関係にある男女の間に生まれた子が嫡出子、婚内子ともいいます。婚姻関係にない2人から生まれたのが、非嫡出子で婚外子ともいう。婚外子が法定相続をするためには、父親の認知が必要です。

かりに妻と子がいる男性が死んだ場合、妻と子(婚外子も含む)が相続人です。話しあいのうえ納得ずくで遺産分割ができれば問題ない。遺書があって遺留分を犯していなければ、それに従うことができる。それらができない場合は、法定相続に従う以外にありません。

今回の判決は、婚外子だからといって法定相続分で差別をするのは憲法違反だ、ということです。法定相続分を婚内子と同じにせよということですね。しかしここで考えていただきたい。こういう場合、何かあると簡単に「差別」「差別」というが、婚内子ならば世間のどの子もすべて平等でしょうか、決してそうではない。
生まれつき病弱な子もいれば、健康な子もいます。裕福な家庭に生まれる子、貧乏な家に生まれる子、これも平等とはいえない。差別といえば差別です。子の責任ではないがやむを得ないでしょう。

婚内子と婚外子の相続の率が異なるのは、そういう法律があるからです。法律がありながら婚外子を誕生させたのは、その子の父であり母なのです。親が原因をつくった、その結果なのです。俗ないい方をすれば、「親の因果が子に報い…」 なのですよ。親が承知の上でおこなった結果です、差別とはいえないでしょう。
婚外子が婚内子の半分の相続権に不満だという。たしかに子供の責任ではないかもしれないが、貧乏な家に生まれるのも子供の責任ではないのです。


今回の判決を受けた原告(この場合は上告人になるのでしょうか)の女性が、「お金の問題じゃない。人格を半分否定されている思いだった。これで納得できた」(私の記憶による)という意味の発言をしたのが新聞に載っていた。

お気の毒ですが、とってつけたような屁理屈であまりにも説得力がない、きわめて不愉快です。婚外子の相続額が婚内子の半分になると、どうして人格が半分になるのか。お金の問題以外に、どういう法的差別を受けているのか。それは甘受できる範囲を超えているのか。
結局お金の問題でしょう。今回の判決を受けて、その半額を法的に保護されていない人のために寄付をする、とでもいうのなら、「お金の問題じゃない」 という発言に少しは耳を傾けましょう。

これはあくまでも私見で、反対意見はあるでしょう。しかし婚外子を誕生させたのはその子の両親です。民法では、公序良俗に反する行為は無効であると規定しています。何が公序良俗に反する行為か、一般には、「社会的妥当性」 のないもの、あるいは 「社会的相当性」 のないものと解釈されています。妻以外の女性との間に子供を作ることは、社会的妥当性・相当性があるといえるのですか。

婚外子を誕生させることは、世俗的な表現をすると「不倫行為」 でしょう。これを承知の上で行為に及んだ以上、婚外子の母は 「相手の家庭を崩壊させてもいい」 と思っていたのではないか。これは明らかに、公序良俗に反する行為でしょう。はたしてこれ以上、法的に保護する必要があるのか。

婚外子の母は、妻と子に 「申し訳ない」 という気持ちを持つべきでしょう。婚外子も、自分の権利の拡大を居丈高にいう立場にないと思いますよ。再度いいますが、「親の因果が…」の言葉を思い出してください。本来なら法的に保護するに値しないその母や子を、将来の生活を考慮して2分の1規定を設けたのではなかったのですか。感謝するべきでしょう。


相続の財産問題以外で、婚外子が 「法的」 に差別を受けるというなら是正されなければいけないでしょう。すぐに思いつくことは何かありますか。
戸籍上、婚外子は被嫡出子に区別され、戸籍に男か女か記載される。婚内子の場合は長男・二男…、長女・二女…です。ただし住民票では現在、両方 「子」 と記載されています。

こういう問題になると、メディアはよく他の国の例を引きます。しかしわが国にはわが国の家族制度があるのです。外国の真似をするなら、オランダ、スペインやフランスのように同性婚も認めるのですか。これらの国以外にも無数ありますよ。真似をしますか?

ところで民法には 「親に対する子の扶養義務」 も(どの程度の実効性があるかは別にして)定められています。実は婚外子も扶養義務があるはずなのです。こんな判決が出た以上、それをもっと明確にしておかなければいけないのではないか。義務を果たさずお金だけはいただく、というのでは虫がよすぎませんか。長くなるからやめますが、どうも胸にしっくり収まらない、くだらない最高裁判決でした。

プロフィール

村 岡 長 治

Author:村 岡 長 治
出自:兵庫県姫路市
現在:埼玉県富士見市
仕事:特定社会保険労務士、行政書士

筑波大学付属駒場高等学校卒業後、早稲田大学理工学部に学ぶが、家業を継ぐため学業途上で帰郷。
現在、川越・ふじみ野・富士見方面で、社会保険労務士・行政書士業をやっています。

「村岡労務行政事務所」のホームページもご覧ください。

両士業の支部内で、勉強会などを持てるといいと思っています。信頼できる同志との連携を深めたい。

お客様とは互いに信頼でき、長続きする関係を築いて行きたい。

趣味は酒、旅行、絵画・音楽・書の鑑賞など。子供たちも独立して、いまは夫婦2人です。

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