新展開なかった米朝会談、トランプ政権を覆う『終わった感』は何か!

 米朝首脳会談から10日が経ちました。この会談は、はっきり言って失敗だったと私は思っています。共同声明も、韓国と北朝鮮の首脳会談(4月27日)「板門店宣言」の域を出ないもので、1人はしゃいで見えるトランプ大統領の「前のめり」がやけに気になった。
 これまで二十数年、北朝鮮は核を廃棄すると言いながら違約を繰り返し、核拡散防止条約(NPT)から一方的に脱退。最後は開き直ってミサイルや原爆の実験を繰り返してきた。こんなやり方への道を、断固遮断しなければ意味がないでしょう。

 今回の首脳会談では体制保証とともに、経済制裁解除を含む見返りを得たいという北朝鮮の意思が明白でした。
 トランプ氏は、金正恩委員長が会談で非核化について「やりたい」と語ったというが、そんな程度の認識でいいのか。日米韓が求めてきた「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」は、いったいどうなってしまったのでしょう。
 会談から一夜明けた13日、北朝鮮の国営メディアの報道を日本の新聞は紹介している。

 「両首脳が朝鮮半島の非核化などの過程について『段階別、同時行動の原則』の順守が重要との認識で一致したと報道。北朝鮮が従来主張してきた『段階的な非核化』に米国が同意したとの認識を示した形だ」
 「北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は会談で『米国側が朝米関係改善のための真の信頼構築措置を講じていくなら、(北)朝鮮側も引き続き次の段階の追加的な善意の措置を講じていくことができる』との立場を明らかにした」(毎日新聞6月13日)

 しかし「段階別、同時行動」が金氏の考えるプロセスなら、過去のやり口と何ら変わるところはない。6か国協議は核放棄へ1歩進むごとに見返りを与えるという、いわば同時進行で進めてきた。今回もそのつど見返りを与えるなら、ただ北朝鮮の経済制裁逃れと、見返りに得た財力で核開発をさらに加速することも、前回の失敗をとおして考えなければいけないはずです。

 しかも<米が関係改善のための真の信頼構築措置を講じていくなら、次の段階の追加的な善意の措置を講じていくことができる>という金正恩氏の発言を聞くと、話は北朝鮮主導で進んでいるのかと思わされる。米が北朝鮮との関係改善のために努力するなら、追加的な善意の措置を講じてやろうという意味でしょう。
 そもそも所持してはいけないはずの核兵器ではないか。いくら朝鮮国内向けの報道とはいえ大事な問題です。そんな内容ではなかったというなら、米側からの反論があってしかるべきではないか。

 毎日新聞北米総局の高木耕太記者は次のように述べている。
 「トランプ政権を覆う『終わった感』が気になった。米国の秋の中間選挙を前にトランプ氏は政治的目的を既に達成したと考えているのではないか」
 「今回の主脳会談によって、金正恩政権は米国の交渉相手としての正当性を内外に示し、『事実上の核保有国』という地位を手に入れることにも成功した」(毎日新聞6月21日)

 これまでと違うところは、6か国協議では実務者同士で話を進め、トップの政治的な動きが乏しかった。今回はまずトップが合い、これから実務者の詰めが始まると思えば「わずかだが前進」ととらえていいのか。何より大事なのはCVIDを急がなければいけない。それが確認できるまで、経済制裁を解除してはならないということです。

 金正恩委員長と親北の塊のような文在寅韓国大統領なら、無理やりでも朝鮮統一を考えているのではないか。過日も核問題にやや詳しそうな(?)人が、「ここまで核開発が進んでいると、非核化まで15年はかかる」とテレビでコメントしていた。
 しかしこの問題は2年以内に「不可逆的な地点」まで進めなければいけない。もしトランプ氏が次の大統領選で再選されなければ、もしオバマ前大統領のようなコンセプトだけを広言し、ディテールまで進もうとしない御仁が選出されたら、結局もとに後戻りです。

 いや、金氏と文氏がスクラムを組んだ以上、さらに危険な状況になるでしょう。15年などという長丁場を認めたら、韓国が北朝鮮に取り込まれて、中国とスクラムを組むという悪夢も否定できない。2年間でCVIDを後戻りできないところまでもっていかなければいけないのです。
 日本は「最大限の圧力」ということで米国と足並みをそろえてきた。そのトランプ氏が「最大限の圧力という言葉を今は使わない」などと揺れ動いているのも不安材料です。

 日本は小泉純一郎首相(当時)の電撃訪朝で、日朝平壌宣言を北朝鮮と交わしている。そこには“核・ミサイル問題や拉致問題を包括的に解決して、国交正常化を実現した「後」に、経済支援を実施する”と明記しているという(飯島勲氏手記)。
 トランプ氏は「核問題を解決したら、日中韓で経済支援をするだろう」(要旨)と、自分は支援から一歩引く発言をしている。だが拉致問題解決と国交正常化まで、日本は1銭も援助してはいけない。
 日本は蚊帳の外へ追いやられたという者もいたが、日本の経済支援なくして北朝鮮は立ち行かないのです。いま日朝会談のタイミングを見計らっているに違いない。政府はそこを見極めしっかり取り組んでもらいたいのです。

ハプニング続きの草津温泉旅行、偶然から八ッ場ダムの建設現場も見学

 10、11日の2泊で草津温泉へ行ってきました。妻が妹夫婦を誘ったら喜んで参加するということで、1行は4人です。
 この温泉は群馬県草津町界隈にあります。日本三名泉の1つに数えられ、江戸時代後期以降何度も作られた温泉番付の格付けでは、当時最高位の東大関が定位置だったという。

 実は出発の前日、妻が7年前に患った脳出血の後遺症で倒れ、救急搬送されたのです。今回でたしか4回目です。救急隊の方から連絡がありました。一瞬、「草津に行けないかな」と思いましたが、慌ててもしょうがないと、旅行代理店や同行の義妹夫婦に連絡はしなかった。
 受け入れる病院が決まらず、救急車の中で時間を過ごすうちに、妻はだんだん話せるようになり、前回搬送されたM総合病院へは行きたくないと言ったそうです。その病院では搬送されたらすぐ入院。あとは従来の薬を飲むだけで1週間退院できなかった。最終的に救急隊が受け入れてくれる病院を2件示すと、妻は脳外科がないもう一方の救急病院を躊躇なく選んだらしい。
 よかったか悪かったかわかりませんが、撮影したCTを診た総合内科医は、「以前の出血の痕はあるが、新しい出血はないようだから気を付けて行ったらいいでしょう」と旅行にも理解を示した。

 ところで草津温泉の湯量は極めて豊富で、湯温も摂氏50~90度前後と高いためラジエーターを使い高い湯温を下げて配湯しているらしい。
 昔は草津節などを唄いながら木の板(湯もみ板)で温泉をかき回し、湯温を下げる「湯もみ」が行われていた。現在も観光客向けに実演する施設があるほか、2ヵ所の共同湯では湯治の一環として行われているという。
 これは熱い湯を宿の風呂に入れるとき、水で薄めて温度を下げると温泉の効能が落ちるため、かき混ぜて温度を下げるというなかなか合理的な方法です。

 「近くて遠い」のがわが家と草津温泉のつながり(?)です。前回行ったのは20余年前です。このとき宿泊したのはホテルS。この後もう行けないかもわからないから、しっかりいい宿を体験したい、というのが妻の言い分でした。
 妻は「以前から知人に聞かされていたO旅館にぜひ」ということでそこに決めました。サイトで調べてもいい旅館に思えたのですが、部屋も食事も評判倒れというか、そもそもその評判は何だったんだろう、と。ただ従業員の接客態度はなかなかよかった。

 湯もみの実演ショーも見に行きました。妻と義妹は必ず「行きたい」というと思っていましたが、予想通り。ショーの途中で「湯もみ体験」があり、案の定、2人はそれにも勇んで参加しました。
 草津温泉には西(さい)の河原露天風呂があります。総面積男女あわせて500㎡を誇る日本有数の大露天風呂。「夏には新緑、秋には紅葉、冬には雪見風呂と四季折々の自然を360°感じながら、湯に抱かれる最高の空間」という謳い文句もあるのですが、女性が楽しみを取りこむ貪欲さには驚きます!

 梅雨時とはいえ、前の2日間は霧雨や小降りの雨がつづきました。お天気人間の私ら夫婦は病気つづき、義妹の猛烈な雨人間ぶりにやられた感じです。
 帰途、義妹夫婦とゆっくり昼食をと思って列車の時刻を決めていたが、2人が早めに帰らなければならなくなりました。長野原草津口という寂しいJRの駅で、時間をつぶすのに困った。

 駅にいたタクシーのドライバーに聞くと、「この近くだと建設中の八ッ場(やんば)ダムぐらいしかない。展望台もありますよ。7000円ぐらいで行けます」ということでさっそく行ってもらった。
 ところが妻が展望台で、土中から頭を出していた石に躓いて、顔から小石交じりの地面に激突。1m60cmの高さにある顔が勢いをつけて地面に叩きつけられたのです。「また病院だ」と一瞬覚悟した。しかし、少し出血はしたが、思ったほどひどくはなかったので、一安心もふた安心もしました。

 事件はこれだけではないのです。帰りに大宮で下車して、ある店で知人らに贈る品の発送手続きを済ませた。お金を払おうとして、妻は手に持っていたポシェットがないのに気が付いた。聞くと3万数千円の現金と健康保険証、診察券が入っていたという。列車の席に置き忘れたらしい。列車は上野行でした。
 緑の窓口で聞いた忘れ物センターへ電話しました。特急草津2号でグリーン席でしたから座った車両番号・席番号も分かっています。列車が到着して清掃が終わり、忘れ物が届いたところだと言い、調べてくれた。

 ありました。しかし健康保険証はないという。妻に話すと、
「あっ! 失くするといけないから、こっちのバッグに入れたんだ。保険証が入っていないなら取りに行くの、どうしよう」
 私は多少呆れました。
 「1万円ぐらいならいいけど、3万円以上入っているのに放置できないだろう。保険証だけがそんなに大事なのではない。保険証は紛失したら、再発行してもらえばいいんだ」
 妻も私の言葉に納得して、それから上野駅の駅事務室まで受け取りに行きました。

 こう書くと、なんかさんざんな旅行だったように思えるでしょうが、それなりにけっこう楽しい旅でした。駄文に長々お付き合いいただき、ありがとうございました。

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湯の町草津の心臓部ともいえる湯畑

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「湯もみガール(?)ズ」の湯もみショー、下は一般人の
「湯もみ体験」

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民主党政権時に、完成間近で中止された八ッ場
ダム建設。今また工事が続けられている

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「体制保証」を強く求める金正恩、だが国内情勢の変化は自分の責任だ!

 北朝鮮は核兵器計画を一括放棄したリビア方式を否定し、段階的非核化でことを進めつつ、体制保証と経済支援を勝ち取りたいと目論んでいる。ポンぺオ米国務長官が5月23日の下院外交委員会の公聴会で、自身が訪朝したおりに金正恩委員長から、「世界からの体制保証」を求められたと改めて明らかにしたという(毎日新聞5月24日夕刊)。「世界から」の体制保証とはいったい何なのでしょう。私にはさっぱり理解できない。

 アメリカもまたしばしば、「体制転換を求めない」と表明していますが、北朝鮮に対するアメリカの体制保証とは、いったい何を意味するのか。
 北朝鮮の正式名称は、朝鮮民主主義人民共和国ですが、その実体は民主的制度など皆無、人民は独裁者の手足であり共和制でもない。共産主義を土台とし、金一族の世襲による専制政治が続いています。自分の意に染まなければ兄を暗殺し叔父を銃殺し、国民を恐怖政治の下に置く。まさに生き地獄なのです。

 話は横にそれますが、石原慎太郎元都知事の話によると、かつて大江健三郎氏が講演で「日本の若者たちにとって理想の国は北朝鮮しかない」と明言していたらしい。日本を誤れる道へ導いてきた朝日新聞と同じ論調です。
 朝日新聞は北朝鮮を「地上の楽園」とたたえ、在日朝鮮人の帰還運動さ中の昭和30年2月26日の同紙には、次のような記事を掲載した。朝日がいかに誤れる方向に日本人のみならず朝鮮人まで導いたか。長い引用ですが、一部をき留めてみたい。

 「帰還希望者が増えたのはなんといっても『完全就職、生活保障』と伝えられた北朝鮮の魅力らしい。各地の在日朝鮮人の多くは帰還実施まで、将来に希望の少ない日本の生活に愛想を尽かしながらも、二度と戻れぬ日本を去って“未知の故国”へ渡るフンギリをつけかねていたらしい。ところが、第一船で帰った人たちに対する歓迎振りや、完備した受け入れ態勢、目覚しい復興振り、などが報道され、さらに『明るい毎日の生活』を伝える帰還者たちの手紙が届いたため、帰還へ踏み切ったようだ」

 天下の(私はそう思わないが)朝日新聞の記事とあれば、信じた者も多かったに違いない。大江健三郎も朝日新聞も、まだ帰還問題の総括をしていない。それでいいのか。これが彼らのいつものやり口です。

 話を戻します。金正恩氏は「体制保証」をアメリカに求めています。正恩が約束を守って核の全面廃棄をもし本気で実践するなら、アメリカは北朝鮮の体制を破壊することはしないでしょう。しかし国内情勢の変遷まではアメリカが責任を持つ問題ではない。すべては金正恩自身の不徳の致すところじゃないですか。いや、因果応報といっておきましょうか。
 カダフィが殺されたのもそこに問題があったのです。ルーマニアのチャウシェスカも、民衆によって妻とともに公開処刑された。これらは誰のせいでもありません。北が核兵器を持っていても、金正恩に反旗を翻す国民成敗のため、自国で爆発させることはできないのだ。

 「体制保証」は「北朝鮮人民に対する人権問題に口をはさむな、という要求も込めているのではないか」という人もいます。しかしこれは内政問題として看過できることではない。国連が何もなし得ない以上、北朝鮮の「体制改革」を、アメリカも考えなければならないのではないか。
 産経新聞論説委員の久保田るり子氏がこんな話をしている。
 「北朝鮮から韓国に命懸けでやって来た3万人を超える脱北者たちが、恐怖に怯えている。(略)一部の学校では脱北者へのいじめも始まっている。(略)金正恩政権へのシンパシーを露わにしてきた文在寅政権下では、『北朝鮮の人権問題』を口にすることさえ憚られるようになった」(正論7月号)
 この実態をどうお考えですか。12日の米朝会談が待たれる。トランプ氏は核の段階的放棄を認めるのか? 即時破棄を求めるのか? 日本人拉致を含めて人件問題にどう言及するのか? 蓋し見ものではあります。

北の「段階的核廃棄」は時間稼ぎ、20余年の失敗を繰り返してはいけない

 トランプ米大統領は1日、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との首脳会談を、当初の予定通り12日にシンガポールで開催すると表明しました。ところがトランプ氏は北朝鮮の非核化について、「時間をかけても構わない。速くやることも、ゆっくりやることもできる」と、非核化の即時達成を標榜してきた従来の主張から外れる発言をしているという。(毎日新聞6月3日)

 この日、ホワイトハウスでトランプ氏と面談したのは金正恩委員長の最側近と言われる金英哲(キム・ヨンチョル)党副委員長。彼から金委員長の親書を受け取ったトランプ氏は会談後、記者団に対して北朝鮮の「非核化」の意思を強調しながらも、段階的な非核化を主張していることに理解を示し、「1回の会談ですべてが成し遂げられるとは思わない」と、複数回の首脳会談が必要になると、協議の長期化を容認する考えも示したという。

 トランプさん、ちょっと待ってもらいたい! 合意から1~2年以内の非核化を目指していた、日米韓の従来の方針とはあまりにかけ離れている。非核化の段階ごとに見返りを得たいという、北朝鮮の方針にまんまとハマってしまわないか。
 さらに「関係改善が進む中で、今後『最大限の圧力』という言葉は使いたくない」とまで語り、北朝鮮が非核化を受け入れた後の経済支援に関しては、日本や韓国、中国が取り組むとして、アメリカが多くを負担することはないと示した。

 金英哲氏との会談では人権問題を話し合うこともなかった。日本政府は首脳会談で日本人拉致問題を取り上げるよう求めており、この日、議題に乗せなかったのはある意味わかる。英哲史に当事者能力があるわけでもない。
 だがこの予備会談の席上、拉致問題に触れることは金委員長への大いなる圧力となるのです。「あの問題は解決済みだ」と広言している委員長へ、「解決はしていない」との大きなクサビを打ち込んでもらいたかった。

 しかし考えてみてください。そもそも「核」は5大国以外には持てないというのが国連の決まりでしょう。勝手に所持して、しかも「破棄させるのなら体制を保証せよ」「経済援助をせよ」とは何ですか。だから「国連はいい加減だ、信用できない」といつも言うのです。
 いや、国連というより、米英がいつもしゃしゃり出てくるのです。それを制止もせず、しかも中に入って調整役を買って出ることもしない。本当に国連っていったいどうなっているのでしょうか。

 7日には安倍晋三首相が日米会談に赴きます。
 段階的核放棄など認めたら、北朝鮮の時間稼ぎに利用されるだけだということ。さらに拉致問題について、改めてトランプ氏にしっかり理解させる方向に仕向けてもらいたいものです。

米朝首脳会談は予定通りに、だが北はなぜ「リビア方式」に反対なのか?

 前回お話ししましたが、北朝鮮側が核放棄に対し、「リビア方式は承諾できない」と繰り返し主張しているらしい。今日はそのことについて書いてみたい。
 北が核開発にここまで力を注いできた背景には、リビアの故カダフィ大佐が核を廃棄したために(アメリカに)殺害された、と金正恩委員長が思い込んでいるからでしょう。これは彼だけではない。父親の金正日氏も同様の発言をしていた記憶がある。
 金親子がどう思おうと関係ないのですが、正恩氏の考えには父親、さらに祖父の考えが大きく影響している。しかし、それはちょっと違うぞ、と言いたいのです。

 リビアは2003年、米英両国の武器専門家と国際原子力機関(IAEA)査察団の主要施設への訪問を認めた。検証対象に含まれる全ての施設の関連文書を提供したほか、サンプル採取、写真撮影などで合意し、2004年にIAEAの第一次査察活動を受けた後、直ちに大量破壊兵器関連施設の廃棄に着手した。
 核兵器開発の全面破棄と、査察の即時受け入れを表明したカダフィ大佐は、反米同志の金正日総書記に対して「査察に開放的であるべきだ。自らの国民に悲劇が降りかかるのを防ぐためにも北朝鮮は我々を見習うべきだ」と進言していた。

 このカダフィ大佐の発言に金総書記は当時、労働新聞を通じて「帝国主義者の威嚇・恐喝に負けて、戦う前にそれまで築いてきた国防力を自分の手で破壊し、放棄する国がある。恥知らずにも、他の国に対して『模範』に見習えと、勧告までしている」と不快感を露わにし、両国の関係は半ば絶縁状態になった。
 2006年5月、リビアとアメリカの国交正常化が発表された。カダフィが「アメリカの援助が少ない」と不満を漏らしているのを記事で読んだ記憶がある。

 カダフィが死んだのは2011年10月、決して米英の攻撃によるものではない。反カダフィ勢力である、リビア国民評議会の攻撃で首都トリポリが陥落したが、カダフィは潜伏して徹底抗戦を試みた。国民評議会が設けた投降期限を過ぎても抗戦を続け、その途中で命を落としたものです。
 もし核放棄をしていなくても、内戦に核を使える道理はない。金正日が「核さえあれば死なずに済んだものを」と思い込み、息子・正恩も父の遺訓として、「思い込んでいる」に過ぎないのです。

 一時は中止に追い込まれるかと思った今回の日米会談、予定通り開催されそうですね。しかし「完全・不可逆的な核廃棄の検証」までには、まだまだ「困難」に直面するのではないか。正恩氏が祖父・父の遺訓だという核開発を、ここで素直に放棄するとはどうしても思えない。
 今回、北朝鮮は北東部の豊渓里(プンゲリ)にある核実験場の坑道を爆破して、入り口を塞いだうえで閉鎖することを決め、一連の作業を米、英、露、中、韓の報道関係者に公開したと伝えている。

 ところが豊渓里実験場は老朽化して使えない、廃棄する予定だと以前に聞いたことがあります。実験場は何ヵ所もあるわけでしょう。豊渓里だけの爆破を見せてもあんまり意味はありませんね。
 しかも今回の爆破は、記者連中をかなり離れたとところに誘い、そこから見せただけで、核の専門家の検証は全く受け入れていない。ある新聞には「もし再度核実験に使用するなら、それなりの爆破のやり方をしている可能性もある」と書いていた。まことにその通りです。
 衛星写真を分析したのでしょうか。爆破しなかった施設もあるというテレビ報道もありました。専門家に公開しない爆破など、どれほど意味があるでしょう。

 しばらく成り行きを見ているしかありませんが、私は金正恩のやり口は決して一筋縄ではいかないと思っています。
プロフィール

村 岡 長 治

Author:村 岡 長 治
出自:兵庫県姫路市
現在:埼玉県富士見市
仕事:特定社会保険労務士、行政書士

筑波大学付属駒場高等学校卒業後、早稲田大学理工学部に学ぶが、家業を継ぐため学業途上で帰郷。
現在、川越・ふじみ野・富士見方面で、社会保険労務士・行政書士業をやっています。

「村岡労務行政事務所」のホームページもご覧ください。

両士業の支部内で、勉強会などを持てるといいと思っています。信頼できる同志との連携を深めたい。

お客様とは互いに信頼でき、長続きする関係を築いて行きたい。

趣味は酒、旅行、絵画・音楽・書の鑑賞など。子供たちも独立して、いまは夫婦2人です。

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